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ノーマライゼーション / ビークル2

Normalization | Vehicle2

過去に脚部を負傷した事で入院経験が在る。手術後、暫く不慣れなベッド生活余儀なくされたものの患部痛みは徐々にだが和らいだ為、退屈紛らわす意味で「歩行補助道具」を使用しながら院内や院外周辺の散歩へ出かける。

歩行補助用の医療器具は、ステッキ・松葉杖・歩行器・車椅子など多種多様なツールが存在しており、それぞれ使用経験した中でも『車椅子』の利便性は優れていると信じていたのだが、ワイド幅員用及びフラット床面などに限定!?されるなど、外出経験するまで知る由もなかった。
          hospital-01.jpg
左画像:入院中怪我足は未だ着床できず松葉杖は両側必要。       
右画像:退院時には着床可となりギブス足裏下駄歯付となり松葉杖は片方。

車椅子での外出経験とは、路面状況(表面)多種多様のため制圧に難儀し車輪回す強い腕力必要となり、意外に不便でガッカリ感ある乗り心地だったのだ。

まず院内では「絨毯敷き」の不便さを感じ疑問発生、また門扉レールの「微かな凸凹」越えるにも、「荒れたアスファルト」路面の通行も、室内Pタイル床面とはスムーズさが全く相違する為に、かなり余分な腕力を必要とする。

また歩道において、度重なる「アップ・ダウン」と「段差」でも苦労させられた、此れは各戸出入口や交差路や信号設置場所に必ず在り、帰院後は疲労困憊する。加えて歩道幅員の「狭小さ」も大問題だった、歩道走行する自転車とのすれ違いはスリル満点!?なのである、自転車避ける際に車道より多少高い歩道から脱輪恐怖!を味わう事に成るからなのだ。

それと経験するまで考えも及ばなかった事だが、両輪作動させる為両手使用する車椅子は「降雨時に傘を持てない!」、恥ずかしい事に玄関出てから初めて気付く。下記画像はラフ作図で描いた、折タタミ式ディレクターチェアへ車輪取付た様な一般的な車椅子。
      
      wheel_chair.jpg
                側面図                 半切正面図

さて、普通である事『ノーマライゼーション|Normalization 』。
絨毯敷き・微かな凸凹・段差・幅員・降雨時等々、入院中に歩行補助ツールを数種類使用体験した者として、基本的機能面の感想述べてきたが、普段良く見かける上記画像如き 「車椅子:ラフ図」 在りますね、此れは一般的に「1945年型」と称されており、米国の車社会対応上考案された簡易収納目的の「折タタミ式車椅子」である。(エベレスト&ジェニング社製作)

ところが、簡易収納は車椅子当事者にとって余り関係なく、概ね介添人の利便性が目的だから主客逆転していたのかも知れない?車椅子当事者の最優先事項については『座位ポジション&軽量化&キャンバ角』なんだそうである。

その様な状況の車椅子を発展させたのは、1976年カナダ・パラリンピックからだった様である。開催期間中には、スポーツ工学・医学・人間工学等の研究開発促進され選手からの製品フィードバックも有効活用され、車椅子市場を賑わす事になった為その功績は多大だった。

折りタタミしない固定式フレーム( リジッドフレーム|Rigit flame|剛接合)も当事者機能へ合わせて見直され、数多く製品化されて来ている。機能面が整理されれば、形態はシンプルに美しく変化して来る事、デザイン界においては必然である。
そして嗜好性を併せ持つ故、今まで大切にされて来なかったイメージやフォルムについても、今後は「機能+アルファ」を考慮する必要在るだろう。健常者において選択肢が存在すると云う「普通な事」への証明となるのではないだろうか?


以下描いたスケッチ画像は、手前勝手な想いを遊び心と共にエスキース(練習下絵)でシュミレーションを試みに行なってみたモノだ。
 
A.基本となるデザイン・シャシー
椅子(着色部)は、前・中・後三パターンの位置変更できてシャシーとは分離可能、ホィール&シャシーは折り畳み(Folding)可能なコンパクト収納対応、そして自走用する為のプッシュリム付でもある。想定使用者は、体幹機能へ問題持たない身障者、高齢者及び軽症の入院患者。
       wheel_chair01a.jpg

B.基本デザイン・シャシーとの相違は座位部分
身体を包み込む安楽椅子には、リラクセーション機能とサウンド体感機能も付属、頚部カバーへ単一指向性スピーカーを装備し、補聴器機能・音響機能を併せ持ち、補助輪&自走用のプッシュリム付き。想定使用者は、体幹に機能障害ない非健常者や、個性的なライフスタイル持主多い団塊世代高齢者や軽度入院患者&転倒防止補助輪付。

                wheel_chair02a.jpg

C.基本デザイン+介護機能付きシャシー
ベビー・バギー(乳母車)状の頭部カバーについては、視覚や精神的な環境を安定させる為にオゥニング的な役割を持たせた。そして難聴回避する意味で耳部開口は手摺機能を併せ持っており、数段階のリクライニング機能及び介助用の手押しハンドル付、上記B同様の転倒防止用補助輪付き。想定使用者は、完全介護必要な身障者及び高齢者、自走想定しない為プッシュリム無し。
                wheel_chair03a.jpg

最後に『意匠』についてだが、直接的な医療機能ではない為にデザイン性不用ケースも存在するだろう、その旨承知の上素材など含むシュミレーションを行なってみた。また今日状況において経済的観点から判断すると、非現実的な「カーボンファイバー」指定しているが、近い将来「ユニバーサル・デザイン」呼称を得られる様、「軽く強く美しい」最適素材のコスト面が研究努力され、クリアされる未来在る事を信じて止まない。

以下列記させて頂いたのは、当方仮称:コクーン・バギー|Cocoon Buggyにおける概略仕様のスペックである。
 ・快適な座位ポジション|一体成型カーボンファイバー+発泡硬質クッション
 ・軽便利用可能な軽量化|カーボンファイバー+剛性フレーム
 ・俊敏な可動性維持|ホィール・キャンバー角(約-2.0~-2.2°)
 ・褥創回避機能|座圧軽減・分散、バックレスト・アームレスト・フットレスト強化
 ・ホィール|スポーク不可。正円維持の為、カーボンファイバー・カバー
 ・プッシュ・リム|感触・アレルギー・ノンスリップ・摩擦係数、考慮(チタン合金)


18:56 : ノーマライゼーショントラックバック(0)  コメント(0)