低齢者!?のノーマライゼーション

The lowerly age's Normalization ! ?

過去、子供関連上場企業の店舗開発セクションへ、10年程在籍した経緯が在る。それ故だろうか、自営独立以降もキッズ空間創造する設計者イメージ、少なからず存在していた様だが「 自他共に 」認める、と云う訳ではなかった。

何故ならば、独立当初ソレをポジティヴに捉えられず、「 子供専門設計者 」レッテルへ対し腐れ縁如き困惑感じつつ、不本意で素直には肯定出来ないプロセスもあった、専門職レッテルが不利と感じていたからであろう。

しかしながら現在では、年の功なのか?客観視全く気にならず、相対関係へ委ねる事にしており成行き次第、勿論積極的自称も行わない。


さて、普段何気なく使用する接続詞『 ○×□ だから 』は、辞書によれば「 それ故 」と在る。しかしながら、ソノ後へ続く用語に納得出来ないモノもある。
例を挙げれば、「 ~だから、この程度で良い 」・「 ~だから、仕方がない 」等、言い訳接尾語付随するのだ。根底には『 まァこれ位で良いじゃないか 』など、諦め・放棄・加減を意味する次第。

そこで、冒頭経緯から得た拙い経験基に、「~」部へ『 子供或いはキッズ 』を充て込み、注1/低齢者!?のノーマライゼーション、手前味噌で恐縮ながら当方業務フィルター通じつつ、述べさせて頂きたい。

下記は、実際の当方設計作業プロセスを図示(1~3)したモノなんだが、空間デザイン業界においても、『 子供だから~ 』と云う諦めや手加減存在し、残念ながら例外とはならないようである。

  
                  1/ Drawing sketch.
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                 2/ Section simulation.
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                 3/ Elevation & Coloring.
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結論から申し上げさせて頂くと、上記意匠の形態具現化するには、イニシャル・コストへ或る「 マジック 」!?、加味する必要性生じる。

何故ならば、投資(施工費)へ見合うだけの理由や、経営判断(トップダウン)ナシには、事後問題が発生する、事業コスト圧迫し兼ねないからなのだ。したがって日本的決裁方式(積上げ式予算)用いる企業へのプレゼンテーションは、コスト観念において非現実的デザインなのかも知れない。

また仮に、意匠承認されても予算面理解されない限り、施工方法は注2/ダイカットパネル処理や、カキワリ(騙し絵)仕上せざるを得なく、反矩形立体やレリーフ表現とは無縁の直線的製作物が施工されてしまう、「 子供環境だから仕方がない 」と云われてしまえばソレまでだが・・・・?

成人対象のファッション系ブランドや紳士服売り場等、他の店舗空間を比較イメージして頂ければお判りだろう、全く在り得ない施工方法なのだ。

しかしながら、低齢者人格の特性を多角的に研究した上、導き出したキーワードを企業コンセプトへも取り込み、立体具現化においてフェアリーな三次元フォルム多用しつつ、圧倒的な本物空間を装置として実現、大成功する世界的企業もある。

しかも、事業経営において魅力溢れる結果と、大人が本気で子供人格理解し公平に対応する(低齢者ノーマライゼーション)社風併せ持ち、所謂子供騙しで誤魔化す事もない。もうお判りだろう、皆さん良く御存知企業、ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー(米国本社名)だ。

我が国子供人格の環境は、中世(室町~江戸期)公家や武士階級において、子供と云う概念ではなく、小さな大人(稚児・童形・元服等)として人格与えられていたようである。そして、闊達さや純真無垢で天衣無縫な処などは、現実越えた別世界と交流する霊力現われだと、7歳頃まで「 神の子 」扱いされる経緯も在った。

しかし明治維新以降、富国強兵政策から国家主導による各家庭への多産!推奨した結果、「 子沢山 」全国津々浦々へ行渡り、第二次大戦後の混乱期(貧困)も拍車を掛けつつ、『 子供だからこれ位で良いじゃないか』は、図らずも現在まで継承され子供人格無いが代にされて来た、従って予算重視の結果と相成る次第。

ところが、少子高齢化進行するに至り「 子供環境 」多少見直されつつあり、不幸中の幸いなどと云ったら叱責されそうだが、途切れた伝承と『 低齢者ノーマライゼーション 』取り戻す、良いチャンス到来しているのかも知れない。




注1/ 高齢者へ対する当方造語で、「 幼児・児童・子供 」を表現した名詞。

注2/ 実はこれらチープな施工法を、逆手に取った優れた空間デザイン例も、数多く存在する旨特記しておきたい。

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茅葺き古民家

Old thatched house.

江戸時代、相模国柄沢村(神奈川県藤沢市)へ所在していた小池家は、代々この地域名主を努めた旧家でもあった、近年になり市文化遺産の母屋敷が移築される事となり、1983年(s58)同市川名の新林(しんばやし)公園内へ移築した。
その後、1999年に市指定重要文化財とされ、風格在る佇まいは当時面影偲ばれる、茅葺き屋根の堂々とした民家なのである。

建屋観察すれば、玉石地業より立上げる基礎土台には、強靭且つ弾力性と耐水性へ優れる栗材使用されており、外壁仕様が下端から背丈程まで杉材の鎧下見板貼りを施しつつ、その上端より軒下へ向い土壁塗上げ設えとなっている。

家屋から多少離れ目視試みれば、屋根が軒高比較で倍程も在り、エコロジィ観点から「 外断熱 」効果満点!?の、茅葺き屋根量感を確認出来る。

そして内観へは、敷地内アプローチ飛石に導かれ、敷居跨ぎつつ土間へ足を踏み入れる、すると台所兼務の導入部注1/三和土(たたき)が、足裏へ円やかな感触伝えながら、心持ちヒンヤリした涼気も優しく出迎えてくれた。
また、囲炉裏板ノ間以外の部屋が書院造り(畳敷)だ、当ブログ内藁葺農家との床仕様相違から、中世ヒエラルキー(士農工商)想起出来るのかも知れない?

土間据置き民具について、下記写真7)左側は足踏式脱穀機、脚踏みで回転させつつ乾燥させた稲や麦藁穂先を、叩きつけながら実を脱穀する。
また、右側は注2/唐箕(とうみ)と呼称し、鋤き採った穀物を上部漏斗から、少しずつ落下させ横風送れば、籾殻や藁屑等の軽量物は吹飛び、多少重い石粒や実などへ選り分けてゆく道具。

双方道具共、近代へ入ってからも活躍していた様子伺われ、電化が普及する昭和中期頃までは、農繁期に実際使用されていた農器具だそうだ。

ところで、経年変化の炭化と煤煙から程良く黒光りする板ノ間では、柔らかく深奥な光韻に誘われたのか・・・、囲炉裏鉄鍋から湯気昇る料理つつきながら、親しい遊人達と酒酌み交わす幻影へ駆られ、暫し白昼夢を観た!?思いする。


      建築面積 :52坪 / 171.7㎡、桁行18.595m×梁間11.01m
      建築仕様 :玉石基礎・栗土台・土壁・茅葺き寄棟造り。
      棟上年度 :1841年 / 天保12年。

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                 1/ 前庭飛石より建物全景
                 2/ 裏側格子窓
                 3/ 客間座敷から格子窓
                 4/ 囲炉裏端の板ノ間
                 5/ 台所土間と唐箕A(とうみ) 
                 6/ 釜土(竃)
                 7/ 脱穀機と唐箕B
                 8/ 三和土(たたき)


注1/ 日本古来の「 たたき 」は、叩き土・砂利・石灰へ水と苦塩混ぜ合わせ、土間ならしつつ人力転圧する。また、三種類の材料を混合させる事から『 三和土 』と書き、叩けば叩く程強く円やかな土間へ仕上げられる、伝統的和床工法。

注2/ 唐箕は中国(唐)から伝来した農具、玄米・籾殻(モミガラ)混合物から、藁屑や籾殻を除去する折用いられた。
農作物脱穀後、上部漏斗から落下させつつ横風吹付ける事により、軽量廃棄物を吹き飛ばし、多少重い実や石粒等を選別する。主要部の起風胴には4枚の翼車が在り、翼車のハンドルを廻し起風する仕組み。(写真5&7参照)


23:23 : 建  築トラックバック(0)  コメント(2)