モダニズム建築の文化的価値

Cultural values ​​of modernism architecture.

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鎌倉時代の遺構、鶴岡八幡宮境内源平池の平家池臨む好立地へ佇む神奈川県立近代美術館は、1951年竣工した戦後最初の公立ミュージアムと云うだけではなく、パリ及びニューヨーク市に継ぐ世界第3番目のMOMAでもあり、指名設計コンペ募られ坂倉準三氏案が最優秀作品として採択された後、建立したものだ。

因みに他の指名参加者は、前川國男、吉村順三、谷口吉郎、山下寿郎各氏、当時は気鋭の中堅建築家であったが、今や何れ劣らぬ大御所達。
坂倉準三氏(1901~1969)は、前述の前川氏・吉阪隆正・丹下健三氏らと共に近代建築界の巨匠ル・コルビュジェ氏(仏・瑞1887~1965)の門下生であり、日本における直系弟子としても知られている。

戦災復興へのシンボルとして、時の神奈川県知事・内山岩太郎氏提唱により計画された此の美術館、地下1m程には国定史跡埋没する中、戦後建築の露払い役を務めた建造物で、注1/資材供給ままならず鉄骨量を出来得る限り省き、不安定な電力供給考慮から天井へ自然採光のトップライト設えた瀟洒な白亜本館は、古都鎌倉自然美や和の様式美を含みつつ、注2/モダニズム建築としてチャレンジングな内容包含する、先駆的な設計がなされたものだった。

だが、ヒトに例えれば丁度団塊世代如く既に定年時期迎え現役引退する齢でもあり、近年は時代の要求満たせない注3/機能不備など問題も抱えており、本館竣工15年後増築された高耐候製鋼(Cor-ten|コルテン鋼)鉄骨とガラスの新館とは水面渡る廊下で結ばれ、近隣新設された鎌倉別館など、数度の改修や工夫で凌いで来てはいるが、一時期取り壊し運命に晒された。だが、新設される注4/葉山館との共存模索により、鎌倉館(本館・新館)として延命したのは2003年の事。

ところが、これで消滅危機がなくなった訳ではなく、現在の建設用地は鶴岡八幡宮からの借地で、しかも賃借契約期限が2016年3月31日満期迎える為、敷地返却の憶測もあり再度閉館危機の噂が流れ始めている。

県教育委員会教育局生涯学習課によれば、近代建築史上の価値は県も八幡宮側も理解し最善の着地点模索中とは云いながら、本年2月県緊急財政対策本部から発表があり、鎌倉館の収蔵品は鎌倉別館と葉山館へ集約後、2015年末には本館・新館共閉館予定なんだそうだ、取壊し撤去或いは移設再築、又は残置なのかは現在不明!



と云う訳で、美術学生時代には知見広げるべく、嗜好する展覧会が在れば度々出向いていたMOMA-Kamakuraへ、近隣ドライブがてら見納めの意味も含みつつ、撮影日和の秋天と共に数十年ぶりで鶴岡八幡宮を訪ねてみた。

学生時は一知半解の身分故だろうか?小面積体感などなかったのだが、その後において国内外多数の美術館訪問経緯もあり、ナ~ルホド!内部展示室の意外な程控えめなスケールの手狭感と、低減鉄骨?の華奢さは半世紀時流を感じざるを得ない。

また、後年各導入口へ無粋に追加されたアルミサッシュ風除室や、自然採光遮蔽してしまった因果か?陰鬱な印象与える展示室の照明環境、建築外壁の高圧縮アスベストボードも経年劣化するなど、建設後60有余年を経た日本のモダニズム建築代表する建物は、清新な創意(設計概念)表現する味わい深い素材感と、簡潔で洗練された造形美保たれているものの、多少残念な印象?!

とは云え、1階外部展示空間は、日本の伝統建築研究(桂離宮等)から導き出された建物と庭園の密接な関係具現化しており、イサム・ノグチ氏彫刻'Kokeshi'配した大谷石囲まれる中庭と、蓮池の波紋が天井へ瑞々しいモアレ(仏:moiré|干渉縞)現象映し出す静寂な回廊など、建築と宮社自然の調和慈しみながら、プライムタイムを過せる場所となっている。

そして、リフト未設置の為1・2階往来するには階段利用となるのだが、折り返し階段付随するシンプルな立上手摺り、或いは昇降エリアの閉塞感和らげる為だろうか?敢えて壁面より外したと思われるササラと極太スティールパイプ手摺意匠など、隅々まで工夫された空間演出の秀逸さに脱帽した。

20世紀の近代建築評価し保存訴える国際機関、DOCOMOMO日本支部が国内近代建築20選に認定しているものの、現在風前灯否めない鎌倉近美だが、其の設立7年後には坂倉氏師匠ル・コルビュジエ氏も、近似概念へ基づく国立西洋美術館を東京・上野恩賜公園内に実現する事となる。そして此方は、国の重要文化財指定と云うだけではなく、世界遺産!決議を待機しているとの事だ。

国と県或いは竣工年度の差在れども、甲乙付け難い師・弟作品の文化的価値が、歴然としている現況に当惑するのは私だけであろうか?

         1.白亜の本館とコルテン鋼 + ガラスの新館
         2.正面アプローチ及び高圧縮アスベストボード外壁
         3.本館と新館結ぶ蓮池水面上の渡り廊下
         4.平家池へ鏡影される白亜のMOMA
         5.ピロティ天井へ映写されたモアレと静寂な池畔テラス
         6.1階ピロティ展示空間と2階展示室への階段及び`美`手摺
         7.2階展示室導入部の無粋なアルミサッシュ風除室
         8.中庭へ展示されるイサム・ノグチ氏作品`Kokeshi`
         9.ミュージアム・ショップと大谷石壁面意匠
        10.大谷石壁面へ象嵌されたガラスブロック

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                       ■本館の建築概要
                   敷地面積:4243.12㎡
                   延床面積:1575㎡
                   展 示 室 :449.92㎡
                   彫 刻 室 :195.52㎡
                   構   造 :鉄骨鉄筋
                   階   数 :地上2階
                   施   工 :馬淵建設(株)
                   竣   工 :1951年11月
                   撮影日時:20130919.Sunny

注1/ 坂倉氏は鋼材リストにより設計したのだが、当時其の鋼材不足は深刻な状況で手配難儀していた処、施工担当する横須賀の馬淵建設が、米軍基地用に保管していたモノを良心的価格で転用した、尚現展示室は自然光塞がれ人工の間接照明等へ変更。

注2/ 19世紀以前の様式建築を否定し、産業革命以降の社会現実に合った建築、つまり「 鉄・コンクリート・ガラス 」の機能美追求した近代建築運動から誕生した意匠。しかし、単に装飾を省略だけではモダニズム建築成立しない。

注3/ 床荷重未足により重量物展示不可、講演ホールや昇降装置(ELV&LIFT)なども未装備の為、'66年新館(設計:坂倉準三氏)、'84年別館(設計:大高正人氏)を増築し対処して来るも、新館は鋼材劣化し耐震強度不足の為2007年より閉鎖中。

注4/ 現在の神奈川県立近代美術館は、既設する鎌倉館(本館・新館)と鎌倉別館、そして'03年竣工の葉山館(設計:㈱佐藤総合計画)との共存。


09:32 : 建  築:  トラックバック(-)  コメント(0)

秋うらら抽象画愉しき田仕舞かな

Pleasant abstract in the harvest fest'.






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                   褐渋の幻想 / 20130928










  
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                    聚楽舞い / 20130928









注/ 何気ない秋陽の農閑期風景だったが、お遊びでイマジンしてみた。
上段、秋天を削除し90度左回転させたら!抽象画雰囲気漂いだす?!、褐色のテラコッタ陽溜りと山林田畑の萌黄色へ、意味在り気な渋闇墨影も現れ、それらコントラストが美妙な縦縞模様を醸造し耽美的。

下段、京風聚楽壁如き混石アスファルトの燻し銀借景に、稲刈り中湿田から路肩へ踏出した泥藁付足跡と、田仕舞い時脱穀白米が農道へこぼれ落ちた痕跡を、掛け詞と共に抽象画風味でトリミングしてみた。(舞い=米)


16:48 : 写  真:  トラックバック(-)  コメント(0)

ウィパー波浪で賑わうメッカ!?

The Makkah full crowded by Wipha's swell ! ?







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                湘南印ボード・キャリア / 20131014










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               サーファーズ・メッカ礼拝堂?/ 20131014








注/ 台風26号=ウィパー| Wipha.

00:32 : 写  真:  トラックバック(-)  コメント(0)