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ノーマライゼーション / ユニバーサル・スロープ!

Normalization | Universal slope !

何気なく立寄った公共港湾施設での事である。横浜港の国際客船ターミナル内、検疫や税関業務行なわれる出入国ロビー・ホールにおいて、ハイレベルで高質なデザイン性で美観麗しく処理されたユニバーサルな傾斜路(スロープ)へ、望外にも遭遇し新発見でもしたかの様だった。

現地入手した印刷物拝覧すれば、非健常者考慮する上で国際客船ターミナル・ホールにおいては、敢えて階段を設置していない様なのだ。そして此の低層の施設内に昇降用開口部は数ヶ所存在する、しかし昇降機能全てを「 スロープとエレベーター」で処理している旨パンフレットへ記載されていた。
したがって設計上、ノーマライゼーション|Normalizationを意図したデザインと判断出来、国際情勢配慮した運営的余裕?伺われるのだ。

しかも全面ウッドデッキ仕様のフローリングが、三次元曲面で処理された箇所等も存在しており、或る意味生態系のフォルムを連想させつつ「ガラス張りエレベーター」&「メカニカルな手摺」との対比も環境的に美しく、注1/国際デザイン・コンペのプラス効果を此の『 ユニバーサル・スロープ! 』から実感出来たのである。
         
   norm_slope01.jpg
         SLOPE at International Passenger Terminal.

ところで、欧米先進諸国の施設導入部「 斜路 」設置における法的有無、恐縮ながら不勉強の為不明なんだが、以前米国人達と共同設計業務した折、スロープ設置の法務処理問われた事が在った。その際、日本では法的設置義務必要ない旨伝えると、彼等は不安定な責務感じたのだろうか?怪訝な表情されてしまい、その気まずい雰囲気から我が国における身障者対応への遅鈍さを感じたのだった、そしてノーマライゼーション不備をネガティブで苦い恥笑と共に現在も思い出す。

因みに多少専門的記述で恐縮なんだが、非健常者(高齢者&身体障害者等)へ対する建築法規内に、「 注2/ハートビル法 」と云う条項存在し詳細数値定義されている、更にコノ法規遵守した建築物へは、審査後交換条件として諸々優遇措置の用意もあるのだ。

上記法規の傾斜路に付いて、屋外では勾配を1/15以下とし屋内は1/12以下に指定されており、加えて幅員1500mm以上で設定し両側へ手摺を付ける等々、決定された項目存在する。また詳細省くが「 建築基準法 」において、諸々但し書付ではありながら概ね1/12以下の勾配になるよう努める事・・・・と記載がある、しかしながら現在でも法的義務化はされていないようだ。


注1/ 設計担当者決定については、「 国際デザイン・コンペ 」が開催され、41ヶ国から660作品の応募があり、国内で行われた設計コンペとしては過去最大規模となった、そして英国在住のOMA出身建築家(デザイナー)へ落札された。

注2/ 高齢者・身体障害者等が、円滑に利用できる特定建築物の建築促進に関する法律。(特定建築物:不特定多数の人が利用する建物)

15:28 : ノーマライゼーショントラックバック(0)  コメント(0)

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